エクソシスト!(悪魔祓い)生霊そして完結
生霊(いきりょう、しょうりょう、せいれい)とは、生きている人間の霊魂が体外に出て自由に動き回るといわれているもの。
「あなたが一人の時に階段から聞こえる音は、生霊です!」私はMさんの目を見てハッキリ言った。
「おそらく、姑さんでしょう、あなたが浮気をしていることを知ってるのです、近所の誰かから聞いたのかもしれません」・・
「かと言って、あなたにも、息子(旦那)にも言えない、なぜなら、夫婦別れをしたら自分の居場所が無くなるからです」
「姑さんの、心の葛藤が無意識のうちに生霊となってMさん、あなたに(いい加減にしろ!)と警告しているのです」
ガックリと肩を落とし下を見つめるMさん。

・・「問題は、Mさんに憑依している悪魔の方だ!魔方陣の中へ返す?」
「いや違う、いつも出てきてる訳ではない」ひとり呟く、心の中で自問自答が続く。
・・そうか!Mさん自身が無意識のうちに呼び出しているのかもしれない?
私はMさんに言った、「あなたは子供の時に遊びの中で偶然に、難解な魔方陣を作ってしまった 」
「しかし、それは結果論であり、子供のあなたは、実際は悪魔の罠にかかったに過ぎない!」
「さらに魔方陣の中央に生贄として、友達を捧げる形に成った」。
ゆえ自分が悪魔に魂を売ることなく、結果として、悪魔との契約が成立したのです。
「ええっ!でも、私はどうすればいいの!」悲鳴を上げるMさん・・
「簡単です!契約を終わらせればいいのです、毎日、心で強く、こう念じてください」
汝、魔方陣からいでし魔界の悪魔よ、お前と我の契約は今日限り終わった。
我は二度と汝を魔界から呼び出さない! 我からか立ち去り魔界へ戻れ。

・・あの日から10年近くが過ぎた、しかし二人からの連絡は一度も来なかった。
あまりにも複雑怪奇だった長い一夜!今こうして当時を思い出しながら執筆しているが、
書き進むごとに脇と手が汗ばんでくる。
あれからMさんはどうしてるのか?紹介者だったS子さんは元気にしてるだろうか?
しかし、私は思う、懐かしさと共に、あの二人とは二度と逢ってはいけないのではないかと・・
・・エクソシスト(悪魔祓い)いまここに深いため息と共に完結する。