千歳の心霊スポット!(赤いランドセル)完結
第一話から20数年の時が過ぎ、私は30歳に手が届きそうな歳になっていた・・
この頃は千歳の長都駅近くに一戸建て住宅を建て、自宅に事務所を併設し宝飾品の販売に多忙な毎日だったので、
以前住んでいた駅前通りの心霊スポットの事などすっかり忘れていた。
ところが・・話は第一話に出てきた赤いランドセルを廃屋で目撃してから、20数年の時を経て
急展開を始めるのである!
ぎしぃ、ぎしぃ、と古い階段の板をきしませながら二階の事務所に続く階段を誰かが登ってくる

「あれ、もう夜の12時を過ぎてるのに誰か事務所に用事なのかな?」私の知人Fさんは独り言をつぶやいた・・
一週間ほど前に自然食品の訪問販売を開業し、今日も事務仕事が終わらず日付が変わりそうな時刻まで一人で仕事をしていた
「あぁ、階段からの音は気のせいかぁ・・最近、疲れてるからなぁ」
Fさんは帰り支度を終えて事務所のドアに鍵を掛け階段の電気を付けようとスイッチを探してると、
えっ、ぅわああ~!階段の真ん中あたりに白い服を着た女の子が立っている!ぅわあ~

Fさんは翌日、この事務所を逃げ出すように引き払ったという・・
実はこの二階建ての古い無人の空き店舗の場所こそ、例の廃屋が建っていた所なのだ!
後日、Fさんからこの話を聞いたときに私はこう言った、「その幽霊は背中に赤い何かを背負ってなかったかい?」
Fさんの目が一瞬大きく見開かれ、「えっ!なんで知ってるのさ!」
私は答えず、深いため息とともにこうつぶやいた「なんという因縁だろう」・・
・・この建物は今も貸し店舗として現存し、私の見る限りでは誰か入居しても半年も持たないようです
最後に、どうしても解らない事がある、(赤いランドセルの子は)20数年前に突然家族ともども居なくなったと、聞いたが・・
それは、本当だったのだろうか・・