エクソシスト!(悪魔祓い)プロローグ
エクソシスト(exorcist)は、キリスト教、特にカトリック教会の用語で、エクソシスムを行う人のこと。
エクソシスムとは誓い、厳命を意味するギリシャ語であり、悪魔にとりつかれた人から、
悪魔を追い出して正常な状態に戻すことをいう。
みしっ、みしっ、みしっ、夜中の1時ころになると階段をゆっくりと誰かが上がってくる。
「うぅっ・・上がってこないでぇ」2階の寝室ベットの中で耳をふさぎ震えるM子さん!

忘れもしない、今から10年ほど前の話である・・
千歳の武道館から500メートルほど千歳川寄りに造成された新興住宅街に立つ二世帯住宅での出来事だ
3年ほど前に結婚し、同時に一戸建て建てた、旦那の母親が一人暮らしだったので一階に住まわせ夫婦は二階に住むことに成った、子供はなく旦那と姑の三人暮らしである・・
旦那は出張族でほとんど家には居ない、姑も足腰も元気な旅行好きでよく家を空けるという。
そして一人きりの日に限って、それも夜中の1時ころになると下から誰かが上がって来る!
私の霊感を知っている、知り合いの女性S子さんが今回の話であるMさんの高校の同級生だった、
「彼女、かなり参ってるので一度Mさんの話を聞いてやって欲しい」・・と頼まれ「とりあえず、話を聞きましょう」となった。
千歳駅近くのカフェで紹介され話を聞くと、「一人のときは、もう怖くて家には居れず近くの実家に泊まります!」とM子さん・・歳は30代の半ばくらいと、若いのに元気がなさそうだ。

一通りMさんの話を聞く、そして最後にこう切り出してきた「私が一人の時、それも夜中の1時ころに自宅で実際に見でもらえないでしょうか?」S子さんも自宅には行ったことが無いらしい・・
「えっ!」と声が出る、紹介してくれたS子さんと目が合う「ふうぅ」とお互いにため息が出る・・「はぁ、夜中の1時ですか?」
う~ん・・「考えておきましょう、それではまた日を改めて」話は一旦終わる。
それから一月ほど過ぎ、突然Mさんから連絡が来た、
「この前のお願いですが、2~3日中にどうでしょうか?」・・「解りました紹介された知人と連絡をとってみます」
結果的にはMさんの強い要望に押し切られた感じで、こちらから私とS子さんの二人で夜の10時ころから遅い夕食をご馳走になりビデオや雑談で時間をつぶす事で日にちを合わせた。
季節は街路樹の赤い葉にも霜が降り始め雪虫が冬の訪れを誘うようにチラチラと飛び交うころであった。
10時ころMさん宅に到着する・・玄関前に立つ二人、吐く息が白く霞む・・
「ううっ、寒い!」外気の寒さではない!

家から放射された寒さ(直感で感じる、霊気だ!マズイ事になりそうだ)私は心でつぶやく・・
S子さんも何か感じてたようだ!「やめましょうか?」と言い出した、「乗りかかった船だ、もう帰れないよ」強い口調になる。
インターフォンを押すが応答が無い?そっとドアの取っ手に手を掛ける。
カチャっとノブが開いた瞬間、「うわっ!」ビリリッと鋭い電気が指に走る「静電気じゃない!ドアに電流が流れてる?そんなバカな!」思わず声を上げる。
声に驚くS子さん!「ヤッパリ、やめましょう!」・・
「イヤ、もう引き下がれない!鍵は開いてるから入るよ」
・・続く